なぜこんなにも目の前のことに集中して生きるということが難しくなったのだろう。気づいたら常に未来の予定や心配事を考えていたり、過去に起こったことに対して後悔していたりする。いつから人間はこんな風になるんだろう。子供の時は何も考えず、ただ遊んでいるだけで時間がすぎるのが当たり前だったのに。大人になるとそんなことは無くなる。なんか悲しい、そして虚しい。
大人になるってそういうことなのかなとも思ったりもする。小さな子供は自分の未来に関する大きな決断をすることはない。保育園や幼稚園に連れていかれたり、病院に連れていかれたり、遊ぶところだって大体大人が決める。だから自分でコントロールしようという意思はなく、彼らは与えられた状況をただただ楽しむ、目一杯生きる。大人はそれに比べて常に選択する機会がある。朝起きてから何を食べるかなんて小さなことから、どこの学校に行くか、何の仕事をするか人生に大きく関わる決断まで全て自分自身で行わなければならない。こうなってくると日々心配ごとや思考でいっぱいになる。たとえ自分にとって楽しい事をしていたとしても、常に頭の中のどこかにあってふと考えてしまう。例えば友達と遊んでいる時。一緒に食事をしていて他愛もない話をして楽しんでいるはずなのに、頭の中には帰ったらやらなければいけないこと、何かについて決めなければいけないことが頭の中をよぎる。もちろんその場を楽しんでいるはずなのに、なんか心が重い。
最近私はそのような事が続き、疲れを感じてきたのでどうしたら今この瞬間だけに集中できるようになるのかを、自分なりに出来ないか試してみた。やってみたら本当に難しい。体感では9割くらいは何か別のことに気を取られ、考え続けている。この作業が終わったらなにしよう、友達から返信返ってきてないかな、あのエッセイやんなきゃなどもう滝のようにずっと流れ落ちてくる。そしてものすごいエネルギーを消費している気がする。
これを簡単に自分の意志で止めることは出来ない。思考をコントロールするのは不可能であるから。だが、自分の思考に気づくことは出来る。俗にいうマインドフルネスだ。まず自分の体に意識を向けて、体の感覚を感じ取る。そして思考が沸いてきたら自分が今考えていることを認識する。説明するのは簡単だが実践するとではまた違う。
私はこの感覚を意識し続けることで、日々の生活がもっと豊かになることを信じている。