過去の記憶に引きずられ、それに伴い色々な感情が浮かんでくる。一日の間に必ず思い出すだろう、過去の自分、過去にあった出来事。
考えてみた、なぜ人は過去を思い出すのだろうかと。一つは人間の習性だろう、過去に起きたこと失敗とかも含めて、今の生存に役立てたりすることが出来る。あと、過去に起こった出来事から色々な感情を追体験することが出来る。たとえば、友達と遊んで楽しかったこと、学校や仕事で嫌な思いをしたことなど。これらを思い出すときは、頭の中でその起こった時の映像が再生され、鮮明な記憶が思い起こされる。それが自分にとって良い過去であれば、思い出すたびに勇気づけられたり楽しくなったりする。逆に不快な思い出であれば、悲しみ怒りなどが心の中に残りなかなか離れられない。
過去の嫌な思い出がトラウマとなって、現在にまで支障をきたしていることは気づいていないだけでよくある。よく多いのが、誰かに言われた些細だけど意地悪な事をいつまでも引きづってしまうことだ。たとえば子供の時に親や先生に言われた事が、たまに自分を苦しめている時があるだろう。テストで悪い点数を取った時に頭が悪いとか、難しい事や新しい事に挑戦しようとした時に無理だと言われたりとか。多分多くの人が少なからず体験していると思う、しかしそれが意識に上がることはほとんどない。無意識に嫌な記憶がたまに引っ張り出され、現在への自分の足かせになっていると気づくことはない。これは本当にもったいないことだと思う。勝手に自分に制限をかけてしまっている状態だ。
起こった事実、過去を変えることは出来ないが、それが今の自分にどんな影響を与えているのかを考えてみると、そこから悪い影響を受けることが少なくなるだろう。なぜ自分はこの記憶を思い出して嫌な気持ちになるのだろうと考えてみたり、他人がいう事の全ては本当ではないし今の自分とは無関係だと思えると冷静に過去と向き合えるのではないか。
最近ではあまり過去は必要ない、関係ないのではないかと思う。確かに今の自分をつくってくれたのも過去の自分だけれども、大切なのは今の自分だから、今そこにいるのは今の自分しかいないから。