自分から動いてみる

    最近私は自分から人にアプローチをかけるように意識している。自分から話しかけたり、連絡先を聞いたり、遊びに誘ったりしている。これらをするようになってから人間関係がより充実するようになり、日々が楽しくなった。自分から興味を持ってアプローチした人は面白いことに、大概向こうもこちらに興味を示してくれるようになる。浅い付き合いもあれば深い関係になることもある、またそこもおもしろい。そして関わる人の母数が増えるから、自然と自分と相性のいい人にも出会って仲良くなる確率が上がる。実際に私も自分が好きで関わりたいと思う人が、まわりに増えた。

    誰でも最初は、自分から行くのは怖い。断られたくないし、拒否されて傷つきたくない。しかしよく考えてみたら、大体の人は人からの純粋な興味をもたれることを不快には感じないだろう。私も実際に嫌な顔をされた記憶はほとんどない。もし断られたら、それはそれで良いんじゃないかな。その時のご縁だと思って。

    ここで私の体験談に入ると、最初に私がイギリスに来てこの戦略を実行したのは、学部のオリエンテーションの時だ。その時は同じ学部に知り合いがいなかったので、誰かと知り合いにならなければと少し焦り気味だった。そのせいもあって、最初近くに座っている人たちに勢いで話しかけ始めた。何人かの人は単調な会話をして終わったが、数人の人とは少し会話が盛り上がった。そしてオリエンテーションが終わって、帰ろうとしたとき隣で少し話した男の子がちょうど椅子に座っていた。その時私は好奇心から話しかけた。私:Can I sit here?  男の子:Sure! そして出身地や趣味の話で盛り上がった。最後にWhatsUp(こっちで主流の連絡アプリ)を交換した。その子とは今でも授業で会った時話したり、一緒に勉強できるような仲になった。

    次にあった大きい出来事は、気になる男の子に連絡先を聞いて出かけるまでもちこんだ話だ。その子と最初に出会ったのが Japan society (日本でいうサークル)のイベントだった。その時は顔は覚えているくらいで、特に話したわけでもなかった。そして次に会ったのもそのサークルのイベントで、そのときも全く意識はしていなかったが一言だけ言葉を交わしたのを覚えている。私が一つだけ質問して、彼は微笑みながら頷く、そんな感じだった。その次の別の大学のイベントで会ったのが、意識するようになったきっかけだ。そのイベントは多言語に興味を持つ人たちが集まるイベントで、たまたま同じテーブルに座ることになり、そこで初めてちゃんとした会話をする機会があった。色々な事を話した。話せるお互いの言語だったり、自分たちの学部についてだったり、短い時間だったがとても楽しい時間だった。私が彼をすごくいいなと思ったのは、多分彼の笑顔だ。私が話している間もちゃんと耳を傾けて、良いリアクションをしてくれるし、何より自分が言ったことに笑ってくれた事がすごく心地よかったし嬉しかった。正直顔もタイプだった。そしてその時、絶対に仲良くなりたいと強く思った。そこで私はすぐに行動に移した。それは連絡先をまず交換することだった。メッセージアプリはさすがにハードルが高かったので、インスタにとどめておいた。自然な流れを見計らって、インスタを交換することに成功した。インスタを交換することさえ、私にとってはかなり勇気のいることだった。普段はほとんど使わないし、いままで自分からインスタを聞いたことは正直なかったからだ。

    交換した日から数日たって、何かメッセージを送ることにした。とにかく話したかったから。最初のメッセージの内容は本当に難しい。相手になんでこいつわざわざDMなんか送ってきてるのなんて思われたくなかった。だから、まずちゃんとした用があって連絡していますということを含んだメッセージを送ることにした。それが、お互いの共通の話題でもある言語学習の話だった。彼は4か国語を話すといっていたので、新しい言語を学ぶときに何から始めればいいかというとても無難な質問を送った。そしたらかなりの長文で返信が返ってきた。とても詳しくアドバイスをくれたので、真剣に丁寧に返してきてくれた事がとても嬉しかった。そしてそこからかなりの好感をもったので、メッセージを続けてみようと思った。彼からメッセージが来ることはないので、なんとか私から続けられるようなメッセージを送ろうと考えた。そこで色々考えた結果、素直に自分の気持ちを伝えてみようと思った。それで送ったのが、もっとあなたの事知りたいから、チャットしてもいいかという文をおくった。かなり恥ずかしかったが自分が相手の立場になった時、単純に嬉しいと思ったので、自分では納得は行っていた。そして帰ってきた返信は、もちろんいつでも話せるよというような文面だった。その時は本当に嬉しかった。

    その後は大体一日に一回やり取りをするぐらいのペースを保ちながら、メッセージを続けていた。だいたい向こうの既読スルーかスタンプで終わるので、少し気が滅入りながらも続けていた。自分でもなぜここまでメッセージを続けようとしていたのかはよく分からなかった。だがよく考えてみれば、彼に興味があるのは私だし、質問してもっと知りたいという気持ちが強かったから。向こうがこちらに関心が無くても割り切れていたのだと思う。そして大体一か月くらい、メッセージを続けてからメッセージの限界を感じるようになった。メッセージだけだと、相手の表情もトーンも分からないし、なかなか会話が進まないというのがじれったくなった。友達にこの事を相談したところ、やっぱ会ってみるのが一番だよと言われた。そして私は満を持して今度会って話そうと誘った。そしたらいいねと返って来た。正直飛び上がるほどの喜びを感じた。人生で初めて気になる異性に会おうと誘ったので、自分にとって一大事だった。ついに遊ぶ日がきて、無事に合流して短い時間だったが公園に行ったりして、色々話したりした。本当に楽しい時間だった。相手はすごい乗り気っていうわけではなかったけど、自分がいいと思ってる人を誘って、実際に遊んで、これからもっと仲良くなれたらいいなという気持ちになったことは本当にすごい事だと改めて実感し、なによりも自分の成長を喜んだ。

    そして自分から動くことで自分でチャンスを生み出しそれを掴めるようになるのだと思うようになった。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です